狂気のマネーシステム
2017.11.27 Monday
現代社会は2つの“狂気”によって秩序が保たれている。
1つは、核抑止と言う狂気だ。
人類は既に地球を何千回も滅ぼせるだけの核兵器を保有している。
もしも第三次世界大戦が勃発したら、人類の殆どは滅び去ってしまうだろう。
それを防ぐために、人類は核保有国同士が互いに核を突き付けあっている。
いわば互いに相手のこめかみに銃を突き付けあい、秩序を保っているわけであり、
狂気としか言いようがないだろう。
何かしらの間違いであったとしても、
誰か1人がその引き金を引けば、人類は滅んでしまうのである。
もう1つの狂気はお金である。
現代社会に生きる人は、誰しもほぼ毎日のように何らかの形でお金を使っているだろう。
お金は核兵器よりも遥かに身近で、日々の生活に欠かせないものだ。
にも拘わらず、多くの人はお金の事を殆ど知らない。
だから、お金と言うモノが狂ったシステムの上に成り立っている事も知らない。
この狂ったシステムは、私たちから自由な意見による政府、信念による政府、
大多数の投票による政府を奪った。
選挙を通じて、政治に民意が反映されていると思うなら、それは幻想に過ぎない。
例えば、日本の1年間の税収は、平成28年においては約58兆円だ。
この収入から約24兆円を国債費に充てている。
国債費とは過去に発行した公債や借入金の返済、利子の支払いに必要な経費のことだ。
分かり易く言えば、「借金の返済」である。
収入の半分近くが借金の返済なのである。
しかも、元本の返済ではなく、利払いに過ぎない。
つまり、借金は全く減っていないことになる。
利払いの後に残ったお金で、国防や社会保障を賄うことは無理なので、
毎年新たな公債を発行している。
平成28年度予算における、新規公債発行額は約34兆円だ。
これがこの国の現実である。
会社がその運転資金を毎年借り入れで調達しているとしたら、
その会社の経営陣に実権はあるだろうか?
資金の貸主が望まない経営方針を採る事はできないだろう。
もしも、そんなことをするなら、資金の提供を止められてしまう。
その結果は言うまでもなく倒産だろう。
日本という国家も、このような会社と同じ状態なのである。
如何に国民が選挙で政治家(政策)を選ぼうとも、
貸主の意向に反する国家運営は不可能なのである。
つまり、日本政府は政府にお金を貸す、小さなグループの支配者によって拘束されている。
そして、このような体制は世界中の殆どの国においても同様なのである。
影の支配者と言ってもいい小さなグループとは何か?
それは銀行である。
お金の仕組みを知る事で、なぜ銀行がそれほどの力を持つに至ったかを知る事ができる。
そして、彼らからその力を取り戻す必要性が理解できるだろう。
今回はお金を成り立たせている狂気のシステムについて考えてみたい。