偏向報道はなぜ繰り返されるのか?

2017.10.31 Tuesday

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    2017年10月22日に行われた衆議院選挙は、与党自民党の圧勝に終わった。
    定数が減ったのにも関わらず、解散前の議席を維持したということは、
    実質的には議席を増やしたとさえ言える。

     

    報道メディアでは、連日この選挙の総括を行っているが、
    そこでは決して「政府が信任された」という事は認めない。

     

    「野党が分裂したからだ」
    「選挙制度に問題がある」
    「民意が正しく反映されていない」などなど、
    まるで国民の多くが実は政権交代を望んでいたかのような報道を繰り返している。

     

    自公以外の候補者、政党の票を合算して自公の獲得した票と比べても意味はないだろう。
    希望の党に投票した有権者は、確かに自民党政権は支持していないだろう。
    しかし、同時に立憲民主党も共産党も支持していないという事も意味する。
    仮に立候補者を出した政党が自民党と立憲民主党の2つしかなかったとして、
    希望の党に投票した有権者が、立憲民主党に投票するとは限らない。
    自民党と立憲民主党の2つを比べるなら、
    自民党を選択するという有権者も決して少なくないだろう。

     

    投票を棄権した者は、要するに選挙結果に対する白紙委任であり、
    自公の圧勝と言う結果をもって、安倍政権を信任したという事になる。

     

    「最後は選挙で決める」
    これは民主主義の最も基本的なルールであろう。
    そのルールに則った結果を認めないなら、それは民主主義の否定でしかない。

     

    2017年と言う年は、日本の報道メディアが死んだ年と言える。
    森友問題、家計問題では、安倍総理や総理夫人の関与を、
    国会で野党は異常とも思えるしつこさで連日取り上げ、
    大手マスコミは野党と結託しているとしか思えない報道でこれに追随した。

     

    一方で安倍昭恵夫人と籠池夫人との間で交わされたメールに出てきた、
    辻元清美議員の疑惑については、ほぼ全ての報道メディアは無視した。
    後に、アリバイ証明のように簡単に触れはしたが、
    「これは大した問題ではない」と言うトーンでの取り扱いであり、
    政府側の疑惑を追及する場合のとの温度差は誰の目から見ても明らかだった。

     

    東京新聞に至っては、「辻元攻撃は女性蔑視、差別」というトーンで
    見開き2ページで大々的な記事を書いて、辻元擁護に回ると言う異常さだ。

     

    村田蓮舫氏の二重国籍問題に対する報道も同様だ。
    「外国人への差別」と言うようなトーンで援護に回る。
    彼女がもしも自民党の議員であったなら、一体どれほどの糾弾を続けたことだろうか。

     

    国政に限らず都政でもこのような偏った報道は繰り返された。
    築地市場の豊洲への移転は、石原知事時代の前の青島都政時代に、
    実に500億円もの費用をかけて、築地の改築で対応できないかを検討したが、
    狭い土地で営業を続けながらの改築は無理という結論になり、
    豊洲移転は石原知事就任以前からの既定路線であったことは明確だった。

     

    ところが、小池知事が就任した途端、森友問題や家計問題と同じ手法で、
    土地取引に疑惑があったのではないかとか、
    有毒物質が検出され、安全ではないという理屈で、
    小池知事が決まっていた移転を延期、
    そして都議会の百条委員会に石原知事などを喚問するという事を行い、
    あたかも疑惑があったかのような印象操作をした。

     

    「全ての悪は石原都知事」という論法で突き進む小池知事に、
    オールマスコミが追随し、騒ぎを大きくしていった。
    そんな大騒ぎの末に出た結論は、「築地も豊洲も活かす」と言う最悪の案だ。
    築地の改築が可能なら、とうの昔にそうしている。
    東京オリンピック後の築地再開発は、間違いなく頓挫することだろう。
    そして、頓挫したことを認めるまで、莫大な都民の税金が浪費されることになる。

     

    その小池知事も、今回の総選挙で自民党を勝たせた戦犯として、
    今度は攻撃される側に立たされている。
    所謂、“排除発言”により野党を分断し、自公の圧勝を助けたというストーリーだ。

     

    しかし、有権者が小池知事(希望の党)を支持しなかった最大の理由は、
    「都政に専念して欲しいから」という理由が一番であった。
    つまり、排除発言が無くとも、希望の党はそれほど支持を集められなかったと言うことだ。
    まして、小池知事が知事を止めて出馬していれば、
    更に支持は失われていただろう。
    小池知事の不出馬も、今回の選挙結果の原因だとメディアは語っているが、
    これも間違えだということだ。

     

    このように、今の日本の報道メディアは、ほぼ常に間違える。
    そして、物事の両面を取り上げず、片面だけを取り上げ、
    そして、一方の当事者を徹底的に批判している。
    それが今の大手マスコミの姿である。

     

    なぜ、報道メディアはこのような偏向報道を繰り返すのだろうか?
    ネットでは中国共産党や在日朝鮮人組織による工作であるという、
    陰謀論的なものが散見されるが、
    私はこのような事は無いだろうと考えている。
    あったとしても、その影響は限定的であり、影響力は小さいだろう。

     

    報道メディアが偏向報道を続ける一番の理由は、
    現代日本が侵されている病だ。
    この病は、実は報道メディアに限らずあらゆる企業に蔓延している。
    たまたま、報道メディアが目立つだけである。
    今回は、日本が侵されている病とは何かを考えてみたい。

     

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