戦後最も重要な衆議院選挙

2017.09.29 Friday

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    2017年9月28日、安倍晋三内閣総理大臣は衆議院を解散した。
    これを受け10月22日には第48回衆議院選挙が行われ、
    国民は日本の舵取りを担う政権を選択することになる。

     

    今回の選挙は、戦後日本において最も重要な選挙であろう。
    日に日に増していく北朝鮮の脅威、軍拡に邁進する中国の脅威、
    同盟国アメリカの弱体化、日本の国防に大きな揺らぎが生じている。

     

    私たちの財産も権利も自由も、それらを与え保障してくれるのは日本国という国家である。
    生まれながらに与えられる権利などと言うものは無く、
    全ては国家があってこそだ。
    そんな国家を守る事が、その国の政府の最大の役割であり、
    その政府を選ぶ行為が衆議院選挙である。

     

    安倍総理は今回の解散を「国難突破解散」と命名したが、
    まさにその通りであろう。
    北朝鮮がミサイル発射や核実験を続ける状況においても、
    「森友、家計問題」などと言う、些末な疑惑追及で貴重な時間を浪費する国会は、
    一新することが望ましい。
    今の国会では、国を守るためのまともな議論ができないのは明らかだ。

     

    これまでの日本は、幸か不幸か、国民が政治に対して真剣に考える必要がなかった。
    冷戦構造の中、アメリカにとって日本は重要な拠点であったため、
    日本人は努力せずとも、アメリカが日本を守ってくれた。
    だから、選挙でどんな政権が誕生しようとも、国防に大きな不安は生じない。

     

    経済においても、戦争により国土の殆どを焼失した状態だったので、
    やるべきことは山ほどあった。
    スクラッチ&ビルドは、最も単純で効果的な経済活動だ。
    更に子供も多く生まれていたので、労働力も豊富であった。
    この状況なら、どんな政権だろうと経済は高成長する。

     

    しかし、2000年代に入りこの状況は変わっていく。
    冷戦の終結は、アメリカにとっての日本の価値が大きく低下することを意味した。
    戦争で破壊されたものを修復し、国民が餓えることがない豊かさを手にした結果、
    これまでのような単純なやり方での経済成長は叶わなくなった。

     

    どんな政権が日本の舵取りを担うのかの重要度が上がったのだが、
    目に見える分かり易い脅威が無かったため、
    日本人はこの変化に鈍感だったと言える。

     

    その結果、単なる雰囲気、ブームで政権を選び、
    漠然とした期待を政権によせ、そして勝手に裏切られたと感じ、また政権を変えた。
    こんな事を20年余りも繰り返し、貴重な時間を浪費し、
    今のような危機的状況にまでなってしまった。

     

    もし、今回の選挙もこれまでの20年と同じなら、
    この国に未来は無いと言って良いだろう。
    民主主義という制度を選択するなら、国民一人一人が国家の構成員としての自覚をもち、
    最低でも「政権を選択することができるに足る」知識を勉強する必要がある。

     

    今までの日本人は、この自覚も勉強も全く足りていなかった。
    だから、メディアの流す情報を鵜呑みにし、権威に迎合し、
    その時の単なる気分で一票を投じてきた。

     

    自覚を持ち、勉強をしても、間違った選択をしてしまうことは多々ある。
    それが民主主義と言うシステムだろう。
    だが、責任感を持ちしっかりと考えてした選択の結果であるなら、
    それが間違いであっても、次は前よりも良い選択ができる。
    人間にはそのくらいの賢さはある筈だ。
    しかし、無責任な選択の結果からは、何も生み出される事はない。

     

    無責任な何も考えていない一票は害悪でしかない。
    「選挙に行こう」と言うような呼びかけは、よく耳にするが、
    責任感も最低限の知識もない人は、選挙に行かない方が余程国家のためだ。
    政治家に対して好きや嫌いという感情を持つ人は、
    「どうか選挙に行かないで下さい」と、私は強くお願いしたい。

     

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